夜勤のある仕事などで起きやすい交代勤務睡眠障害。仕事上どうしても交代勤務をしなければならない人は睡眠への問題を多く抱える傾向があります。交代勤務睡眠障害についてどのような対策や改善法があるのかをまとめてご紹介していきます。
目次
交代勤務睡眠障害とは?
交代睡眠障害とは、交代勤務(シフト勤務とも言われる)により睡眠時間が頻繁に変動することにより、睡眠や心身への障害がもたらされる症状を指します。
コンビニや工場、介護などの現場に置いて夜勤勤務や早朝勤務がある場合など、その週によって睡眠時間の変動が激しく変わることにより症状が発症します。
本来眠るべき時間に眠れておらず、脳と身体に疲労がたまることや、太陽が出ている間に眠らなければならない事から体内時計が乱れ、不眠などの睡眠障害を起こします。
睡眠のみならず、疲労がリセットされないことによる過労から体調を崩したり、不眠や過労によるストレスからうつ病を発症してしまうなど、心身における健康状態に影響を及ぼす可能性もあります。
なりやすい職業
交代勤務睡眠障害を発症しやすい職業は以下の通りです。
・コンビニ店員
・介護職や看護職
・警察官や消防士
・工場関係の職業
・旅接客業(タクシー、バス、飛行機など)
・宿泊関係業務
・24時間営業の店舗スタッフ
など
早朝勤務や夜勤がある職業は交代勤務睡眠障害になりやすいとされています。睡眠障害は女性の方がなりやすいため、特に介護士や宿泊関係業務の女性は交代勤務睡眠障害を発症しやすい傾向があります。
交代勤務と三交代勤務の違い
三交代勤務という言葉もよく耳にしますが、この勤務方法は1日を8時間ずつに区切り、3つのシフトで働く勤務方法のことを指します。
主に医療現場や工場、コンビニなどの24時間稼働している場所で取り入れられています。
交代勤務睡眠障害の症状
この章では、交代勤務睡眠障害の症状について見ていきます。どのような症状が出たらこの障害に当てはまるのかをしっかりと認識しましょう。
活動勤務時間に眠気が襲う
しっかりとした睡眠時間の確保や眠りの浅さから、勤務活動時間に眠気が襲うことがあります。勤務時間の眠気は仕事のパフォーマンスが低下してしまったり、注意力や判断力が低下してしまい、周りの人へ迷惑をかけてしまう可能性もあります。
不眠・熟睡ができない
本来眠るべき時間ではない朝方や夕方に眠らなければならないことから、体内時計が乱れ熟睡できなくなることや、本来眠るべき時間に寝付けず睡眠時間が短く眠りが浅くなり不眠症を発症することもあります。
集中力・気力の低下やイライラ
睡眠不足や過労などが原因により集中力や気力が低下することがあります。何に対しても気が進まなくなる、仕事ややるべきことに集中できないなどの症状を発症し、それに生じて些細なことでもイライラする、言動や行動が暴力的になるなども見られます。
対人関係に支障をきたす
睡眠障害によるストレスや過労などは対人関係に大きく影響します。イライラが溜まり人に当たってしまう、気が進まないことにより人と話すことが嫌になるなど、普段はなんとも思っていないことが気になり苦痛に感じることもあるでしょう。
健康への影響
夜勤や早朝勤務で睡眠時間に変動があると、体内リズムに変調が生じます。体内時計が狂うと睡眠ホルモンと言われるメラトニンの分泌がされなくなるため、浅い睡眠となります。
睡眠不足はストレスだけでなく、体力の低下、慢性的な疲労、胃や臓器への影響、うつ病などを発症してしまう可能性があり、健康へ悪影響となってしまいます。
交代勤務睡眠障害への対策法
では、交代勤務睡眠障害への対処はどのようにしたら良いのでしょうか」。ここでは病院に行かずとも自分でできる対処法3つをご紹介します。
太陽光を浴びてメラトニンを増やす
まずはしっかりとした睡眠をするために太陽光を浴びましょう。メラトニンは太陽の光を浴びてから14時間〜16時間ほどで分泌されるため、夜勤後の朝または午前中にしっかり太陽光を浴び、メラトニンを増やすことが重要です。
睡眠ホルモンであるメラトニンを増やし、眠る前に身体を温め、眠る時間は深部体温を下げるよう工夫すると睡眠の質をあげられます。
規則的な食事を心がける
睡眠だけでなく食事も体内のリズムを一定に保つために必要なことです。その日によって食事の回数が変わったり、食事の時間が大幅に変わると体内時計を狂わせ、睡眠へ影響してしまいます。
食べる量を多くするのではなく、少量でも良いので夜勤明けの朝食と夕食のタイミングはできる限りいつもと同じ時間に調整しましょう。
体内時計を安定させる
体内時計を安定させるためには、夜勤前後の行動も必須となります。夜勤前の仮眠はできるだけ夕方にとり、夜勤中や夜勤後の仮眠はできるだけ短くすると体内時計が大幅に乱れることなく、本来眠るべき時間に良い睡眠ができるようになります。