不眠や寝不足と体温の関係を徹底調査!ぐっすり眠るには体温調節が大事

「夜寝付けない」「寝ているはずなのに、寝不足感がある…。」睡眠に関する悩みは日本人の5人に1人が抱えている深刻な問題です。
睡眠の質を良くするという言葉を聞く回数が増えましたが、もしかしたら寝不足の原因は睡眠時の体温調節がうまくできていないことかもしれません。体温が高いとなかなか眠りにつくことが難しくなるなど、睡眠や寝不足と体温にはとても深い関係があるのです。この記事ではそんな不眠や寝不足と体温の関係について詳しくお話します。

寝不足と体温には関係がある

お子さんがいる方や、小さい子どもと関わる機会のある方なら経験したことがあるかもしれませんが、子どもは眠くなると身体がポカポカと暖かくなりますよね?睡眠と体温にはとても深い関係があることがわかります。

人は起きている時に比べ、寝ている時は体温が下がります。
ここでいう「体温が下がる」というのは、体の深部と言われる脳や内臓のことを指し深部体温と呼ばれています。深部体温が下がることで眠りにつき、上がることで目覚めるという仕組みになっています。

体内時計

睡眠は2つの機能によってコントロールされており、そのうちの一つが体内時計です。

体内時計とは人の身体のさまざまな生体リズムを刻む機能のこと。
体内時計の働きで人は夜になると眠くなり、朝になると目が覚めます。体内時計は朝の光を浴びリセットされ、一定のリズムを刻むのです。

深部体温は体内時計からの指令を受け、夜になると深部体温が下がるようになっており、そのおかげで私たちは眠りにつくのです。

熱産生と熱放散

もう一つの機能となるのが、熱産生と熱放散です。体内で熱を作ったり熱を体の外に逃したり、体温調節をすることを指します。

眠くなる子どもの体が熱くなるのは、熱を外に逃し深部体温を下げようとしているからです。
深部体温を下げるにはまず体の中で熱を作らないといけないため、寝る前は体内で熱を作り体温を上昇させ、その後熱を体の外へにがし体温を下げて眠りへと導くのです。

寝不足や不眠の時は体温が上がる

深部体温が下がることで眠りにつくとなると、体温が高い人は寝不足や不眠になりやすいと思われがちですが、体温が高い時に分泌されるホルモンの中には、睡眠を深くする作用があるのです。

寝不足や不眠になってしまう原因の一つは、熱をうまく身体の外に放出できず深部体温を下げられないからです。
深部体温の調整が自分でできれば、寝不足や不眠の改善につながるとも言われているため、深部体温を上手に下げられるよう工夫をすれば、質のいい睡眠へと誘導できるようになります。

女性は基礎体温の生理前と生理後の体温変動で不眠になりやすい

特に女性の身体は生理前と生理後で体温の変動があるため、睡眠の質を一定に保つことが困難と言われます。

女性ホルモンは、エストロゲンとプロゲステロンという2種類のホルモンでできています。
排卵後の黄体期にはプロゲステロンの分泌により、基礎体温が0.5〜1度ほど上がります。人は深部体温が下がると眠気が来るため、体温が上がる黄体期は睡眠の質が低下してしまうのです。

そのため、普段より意識して身体を温めることが質のいい睡眠を確保する上で重要となります。
特に寝る前に入浴をしてあげると、体温が上がりベッドに入る頃には深部体温が下がり始めるため、おすすめです。

しっかり寝るためには睡眠時の体温調節が重要

質の良い睡眠を取るためには深部体温を下げることが重要とお話をしてきましたが、ではそのようにしたら深部体温は下がるのでしょうか?

深部体温を下げるためには、まず一度身体の中で熱を作り体温を上げなければなりません。
一度体温を上げると、眠りに着く頃には自然と深部体温が下がるのです。

では、自分でできる深部体温を下げる行動をご紹介していきます。

入浴をする

一番簡単で一番みなさんが聞いたことがあるワードが「入浴をすること」です。

入浴は深部体温を上げるだけでなく、疲れた身体をリラックスしてくれる効果もあります。
心と体がリラックスすることで、脳が興奮状態からリラックスモードに切り替わるため、眠りにつきやすいのです。

入浴は暑すぎない38度〜40度ほどで、20分程度が理想です。
入浴後はなるべく早く床に入ると、眠りに着く頃に深部体温が低下するので、質のいい睡眠が取りやすくなります。

運動をする

寝る3時間前までに適度な運動をすることも、深部体温を下げられる行動の一つです。

寝る直前に激しい運動をすると、逆に脳と体が興奮状態になってしまうため、夕方〜夜にかけてヨガやストレッチ、ウォーキングなど軽めの運動をすると良いでしょう。

暖かい飲み物を飲む

寝る前に暖かい飲み物を飲んで深部体温を上げることもおすすめです。

しかし、コーヒーなどのカフェインが含まれるものは覚醒効果があるためあまりお勧めはできません。
どうしてもカフェインが入ったものを飲みたい場合は、寝る4時間前までに留めましょう。

ホットミルクやジンジャーなど、身体の中から温めてくれる効果のあるのものや、腸への負担が少ない白湯もお勧めです。
香りでリラックス効果があるハーブティーも良いでしょう。ハーブの種類によっては安眠効果もあるため、自分にあったハーブティーを探してみるのもお勧めです。

 

 

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